インドの紅茶
大きく分けるとヒマラヤ山脈に近いインド北東部と南部に分けられます。インドの紅茶といえば北東部には有名な世界の銘茶ダージリンや、アッサムなどの有名な産地が集まります。残りは二ルギリがつくられている南部になります。
インドでは昔から紅茶の栽培があったわけではなくて、インドはイギリスの支配下にあった19世紀の1823年に自生していたアッサム種が発見され、1841年にダージリン地方で中国の茶樹が育ったことで、茶園を次々と開拓し一躍世界でも有数の紅茶生産地になりました。
インドの代表的な北東部の紅茶は、産地ごとの風味や香り、渋昧やコクがはっきりとしていて、クセの強い紅茶が多く、飲む人によって好みがわかれます。一方、南部でつくられる紅茶は、クセがなくて飲みやすい紅茶といいます。シーズンによって風味が異なる特徴があり、春に摘まれた新鮮な風味の茶から、冬にかけてだんだんと渋昧やコク、水色の色が強い茶葉になっていきます。
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スリランカの紅茶
スリランカは植民地だったため紅茶栽培はイギリスによってもたらされました。1839年にアッサム種の茶樹が持ち込まれ、さらには中国種の茶樹が持ち込まれました。紅茶は栽培される地域の気温や湿度によって風味に特徴が出ます。南に行くほどクセが少なくなるといい、
インドよりも南に位置するスリランカは、一年を通して温暖な気候と豊富な雨量があるため、どの茶葉もクセが少なくて飲みやすい紅茶に仕上がるといわれます。
スリランカの五大紅茶産地は銘茶のウバをはじめ、ディンブラ、ヌワラエリア、キャンディ、ルフナの地域が有名です。スリランカの紅茶は茶園のある標高によってハイダロウンティル、ミディアムグロウンティ、口ングロウンティの3つに分類されます。
標高の違いにより茶葉の風味に特徴が出ます。ハイダロウンはしっかりした渋昧と花の香りが特徴で、ミディアムグロウンは芳醇な香りとほどよい渋昧、口ングロウンは濃い味わいで香りは弱い傾向があります。
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インドネシアの紅茶
渋昧が少なくマイルドな口当たりと、クセのない風味が特徴ですが、多少コクが乏しいといえます。紅茶の産地としては、ジャワ島西部の高原地帯でつくられるジャワと、スマトラ島北部の標高の低い地帯でつくられるスマトラが有名です。
インドネシアに最初に紅茶の茶園がっくられたのはスリランカよりも古く1829年で、その後、1945年の独立とともに、紅茶生産量も増えて世界有数の紅茶生産国になっています。
インドネシアでつくられている紅茶は、他の茶葉とのブレンド用につくられるものが多いようです。
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中国の紅茶
紅茶は中国東部の安徽省でつくられるキームンがもっとも有名です。一方燥製茶は名産地として有名な福建省北部武東山でつくられるラプサンスーチョンです。中国紅茶のなかでもラプサンスーチョンは強い煩製香が持ち味です。
中国種の茶葉はアッサム種の茶葉と比べてタンニンの含有量が少ないため中国の紅茶は渋昧が少なく繊細な香りが持ち味といえます。ストレートティーにして茶葉の繊細な香りを楽しむ飲み方に向いています。また、アイスティーにも向いています。
中国の紅茶はほかにも雲南省、四州省、広東省、湖南省など、と多くの地方でつくられています。
中国で普段飲むお茶はウー口ン茶をはじめバリエーションが非常に豊富で、紅茶は輸出用につくられています
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